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次回公演のお知らせ


日本伝統芸 なかなか あえない 芸能 シリーズVol.03
能の源流・松囃子
〜中世の祝とう芸能の競演〜

明けましておめでとうございます。旧年中はご厚情を賜り、誠にありがとうございました。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。  月の舞台は、今年も日本伝統芸能を中心に、いろいろな公演の企画、運営をいたしてまいりますので、お楽しみいただきたく存じます。  さて、今回は平成23年1月28日(金)午後6時30分より開演いたします『なかなか あえない 芸能 シリーズVol.03能の源流・松囃子〜中世の祝とう芸能の競演〜 (助成:日本芸術文化振興基金)』のご案内を申し上げます。  松囃子御能保存会(熊本県菊池市)により伝承されているのが、松囃子です。民俗芸能の「菊池の松囃子」(国指定重要無形民俗文化財)」、狂言の演出としての松囃子、「松囃子」から「能」へと発展しました。室町時代の日本文化の開花時のエネルギー、祝とう(神への祈り)の「松づくし」を是非、ご高覧くださいませ。

 月の舞台はお旅所跡にございます。春日大社のお旅所祭では、田楽・細男(さいのお)・猿楽・舞楽などの芸能が捧げられるとのことです。  新年の始まりに、皆様とご一緒に祝とうをお祝いできることは、月の舞台にとりまして、何よりの喜びでございます。  どうぞ、粛々と日本の伝統文化の歴史の一片に触れていただければ幸いでございます。皆様のご来臨を心よりお待ち申し上げます。

日時:
平成23年1月28日(金)
開演午後6時30分 開場30分前

会場:
月の舞台
( 岡山市北区兵団3−32 スパイラル5F )(JR宿舎北隣)
TEL086−222−6367
URL http://www.spiralring.jp/tukinobutai
岡電バス:妙善寺・三野行「南方交番前」、宇野バス:三野方面行
「南方交番前」・東岡山方面行「就実高校中学前」下車徒歩5分
料金:
前売 3,500円  当日 4,000円
主催: 「月の舞台」運営実行委員会
後援:
岡山県、岡山市、山陽新聞社、山陽放送、OHK岡山放送
チケット
取扱:

「月の舞台」運営実行委員会事務局 TEL086−222−6367
岡山:ぎんざや TEL086−222−3244
岡山シンフォニーホールチケットセンター TEL086−234−2010



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なかなか あえない 芸能 シリーズVol.03 能の源流・松囃子
〜中世の祝とう芸能の競演〜 助成:日本芸術文化振興基金


■岡山・月の舞台
2011年1月28日(金) 18:30〜20:00 定員50人
■神戸・ジーベックホール
2011年1月29日(土) 15:30〜17:00 定員100人

室町幕府第六代将軍・足利義教(よしのり)は、鹿苑寺金閣を作った義満の子で、慈照寺銀閣を作った義政の父です。
金閣や銀閣は国宝の有形文化財ですが、義教は無形文化の分野で画期的な仕事をしました。それは新年を祝う松囃子(注1)の芸能を発展させたことです。
義満は将軍として、初めて能を見、パトロンとなりましたが、鑑賞者にすぎませんでした。
義教は、大名の一族郎党や町女房(アマチュア)に、空前のパフォーマンス・風流(注2)の松囃子を行わせました(大名松囃子、女松囃子)。
また義教は、職業的芸能者である観世(プロフェッショナル)に始めさせた松囃子(祝言の芸能と能の会)を、武家の盛大な新年儀礼に制定、猿楽を農耕文化から、武家の式楽(しきがく=儀式に用いる楽)にして発展させるという「創造」を行いました。
松囃子は、民俗芸能の「菊池の松囃子」(国指定重要無形民俗文化財)が松囃子御能保存会(熊本県菊池市)により伝承されていますが、狂言の演目「松囃子」(和泉流)・「松脂」(和泉流・大蔵流)では、狂言の演出として松囃子が演じられます。
「松囃子」から「能」(ユネスコ世界遺産登録)へ…、という日本独自の文化の開花時のエネルギーを、祝とう(神への祈り)の「松づくし」で受けとめていただきたいと思います。

伴野久美子

注1 松囃子(まつばやし)=松拍・松拍子・松奏・松囃とも書く。新春にあたり、その象徴である松を、囃子言葉や音楽、芸能ではやすもの。室町時代に赤松家で行われ、後に一般に流行、幕府の殿中で正月の嘉例〈かれい=めでたい先例〉として演じるようになった。笛・鼓・太鼓ではやし、羯鼓〈かっこ=腰鼓の一種。中空の円筒に馬革の調紐を締めた物を台に据え、両手のバチで両革面を打つ〉を打ちながら踊る。
注2 風流(ふりゅう)=中世に行われた拍子物(はやしもの)踊で、囃子を伴う群舞。僧侶の行う延年舞にも取り入れられた。
参考文献:京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター平成19年度第3回公開講座 吉川周平所長退任記念 松囃子?足利義教が高めた芸能のかたちと意味?配布資料

●講演【足利義教が高めた芸能のかたちと意味】

○吉川周平(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター前所長)「松囃子と能の関係」

○片山慶次郎(観世流シテ方)「能楽師から見た松囃子」
公演【中世の祝とう芸能を「松づくし」で競演】

狂言「松脂(まつやに)」/善竹忠重(大蔵流狂言方) 志芸の会
正月恒例の松囃子をするために近所の者が集まり、今年は松脂を囃そうという亭主の提案で、一同が「松やに、やにや」と囃していると、松脂の精が出現する。一同が弓絃に用いる薬煉(くすね)を所望すると、松脂の精は承知して舞働を舞い、薬煉を練り祝福する。
中世に流行した風流の一種・松囃子に、詞などにちなんだ神や精仙が出現するという、狂言風流(中世に大成した芸能の形態。狂言に伝わったが、古態を保つか不明。本狂言とは全く別の芸能で、風流ともいう)でおなじみの趣向が結びついて成立した、めでたさ本意の曲。人数は3人+立衆(同装の相手役が大勢出る場合の呼び方)・地謡(狂言の中で謡を斉唱する役。3〜5人)と囃子方の一部または全部を要する。

参考文献:狂言ハンドブック

仕舞「高砂 八段之舞」片山伸吾(観世流シテ方)
相生の松によって夫婦の和合と長寿を祝福し、またその常磐の松を象徴として和歌の道の繁栄、国の平安の永遠を寿ぐ。八段之舞は、室町末期ごろの演出(小書)で、後シテの住吉明神は、力強く烈しい神として登場し、緩急に富む「神舞」を舞う。参考文献:完訳 日本の古典46

プロフィール
○吉川周平(きっかわ・しゅうへい 日本伝統芸能学・日本民俗音楽学・舞踊学研究者)
音楽、舞踊、演劇などと分化している西洋近代の芸術と異なり、それらのものが未分化のまま行われている日本の伝統芸能の要素を取り出して、その機能を、周辺諸国を含むフィールドワークによって分析・研究している。1966年早稲田大学大学院研究科演劇学専攻修士課程修了(文学修士)、74年同大学院博士課程単位取得満期退学、71〜76年同演劇博物館助手、75・76年米国アーラム大学客員教授、76〜79年早稲田大学演劇博物館嘱託、鹿児島女子大学助教授、徳島文理大学教授、徳島文理大学大学院教授を経て、2002年京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター教授、04〜08年同センター所長。現在、舞踊学会理事、民俗芸能学会理事、文化審議会民俗文化財部会長、同無形文化財委員長、文化庁芸術祭音楽部門(関西)審査員、文化庁独立行政法人国立文化財機構評価委員、大阪府文化財保護審議会委員、香川県文化財保護審議会委員、大阪市文化財保護審議会委員。主な論文に「松拍考(上・下)」『演劇学』1967・69年、「菊池の松囃子について」『民俗芸能』75年、[世阿弥がとらえた中世日本の神と鬼との身体動作の表現の相違?『風姿花伝』「第二物学条々」の「神」と「鬼」]『民族芸術』2001年ほか。

○片山慶次郎(かたやま・けいじろう 観世流シテ方)
1932年生まれ。8世片山家当主・故片山博通と京舞井上流4世家元・故井上八千代(愛子)の次男。幼少より父及び故杉浦義朗に稽古を受け、4歳で初舞台。以後子方の舞台を数多く勤め、長じては故観世雅雪・寿夫に師事。自らの能の追求と、現代に生きる能を探って、「能にしたしむ会」を主宰。兄である9世片山九郎右衛門を補佐して同門の育成にあたる一方、現在、能楽協会京都支部長(教育特別委員を兼務)として、京都を中心とした演能の活性化を図るため、一般、殊に若い世代への能の理解と普及に力を注ぐ。執筆活動も行い、著書に「博通望憶」「四世井上八千代芸話」などがある。91年京都市芸術文化協会賞・97年京都府文化賞功労賞を受賞。京都能楽会副会長。(社)京都観世会専務理事。(財)片山家能楽保存財団理事。

○山崎泰孝(やまざき・やすたか 建築家)
1935年兵庫県生まれ。60年早稲田大学第一理工学部建築学科卒業、70年まで坂倉準三建築研究所に勤務。73年株式会社AZ instituteを設立、芦屋ルナホールでプラハ国際芸術祭グランプリ受賞。79年〜82年・87年〜90年早稲田大学講師、76年〜96年福井工業大学教授、97年〜2003年近畿大学文芸学部芸術学科教授、99年から早稲田大学文学部非常勤講師、04年から近畿大学文芸学部非常勤講師。08年関西木造劇場研究会発足。現在、近畿大学日本文化研究所研究員、公共建築賞近畿地区審査委員会委員長、日本総合デザイナー協会理事。日本建築家協会・日本建築学会・大阪府建築士会・日本都市計画学会・都市住宅学会・日本文化デザインフォーラム・日本劇場演出空間技術協会・総合デザイナー協会・民族藝術学会・自治体学会会員。http://www.yamazakiyasutaka.co.jp/

○片山伸吾(かたやま・しんご 観世流シテ方)
1968年生まれ。片山慶次郎の長男。父及び叔父9世片山九郎右衛門(人間国宝、雪号「幽雪」)に稽古を受ける。72年3歳の時、仕舞「鶴亀」にて初舞台、76年能「岩船」にて初シテを勤める。以来「石橋(しゃっきょう)」「乱(みだれ)」「道成寺」「望月」等を抜く。京都を中心に活動し、デトロイト、ヒューストン、ミネアポリスなどでの海外公演にも参加。映画「宋家の三姉妹」(99年日本公開、メイベル・チャン監督作品)や舞台「カタストロフィ」・「源平の風」に出演、2009年「同世代のふたり」において市川右近と共演するなど、古典芸能をはじめとした様々な分野との交流を積極的に行っている。同志社大学文学部文化学科美学及び芸術学専攻卒業。京都能楽会理事。(財)片山能楽保存財団評議員。能楽協会教育特別委員。http://w01.tp1.jp/~a470112769/

○善竹忠重(ぜんちく・ただしげ 大蔵流狂言方)
1947年生まれ。初世善竹忠一郎の次男。父及び祖父・故善竹彌五郎(狂言方初の人間国宝)に師事。54年大槻同門会「以呂波」にて初舞台。63年金春流宗家より彌五郎が善竹の姓を受け、一家をあげて改姓。66年神戸観世会で「三番三」を披く。87年極重習(ごくおもならい)の「花子(はなご)」を彌五郎追善会で披く。91年重要無形文化財総合指定を受ける。現在、日本能楽会会員、能楽協会神戸支部常議員。2008年Theatre Project Si公演「リヤ王」主演。

○志芸の会
善竹忠重主宰。長男・忠亮及び世襲外からの弟子たちで構成。1999年の旗揚げ以降、時代に翻弄されない正当な狂言の伝承を目指す。その傍ら、10年間の“狂言方主催によるシテ方五流派「翁」公演”を成功させる等、前例のない画期的な企画公演を手掛ける。2009年弟子が順に初演する「春秋釣狐の会 極重習曲『釣狐』披キ」を開始。http://www.shigenokai.com/

関連企画(未定)

■京都で唯一の室町期の町家「川井家住宅」見学会
2010年10月 定員15人
川井家住宅は応仁元年(1467年)に建てられた、京都で唯一の室町期の町家です。正徳年間(1711〜16年)改造、文政13年(1830年)座敷が増築されていますが、残された柱や梁は中世にさかのぼる古さで、構造様式から当初は茅葺きの妻入(つまいり)屋根であっただろうと推測されています。応仁の乱のときには、大火が間際の竹林で止まったと伝えられています。川井家は室町時代初期から酒造りに必要な麹を商っていました。当時の麹づくりは、室町幕府の税収の3分の1をまかなったほどの大産業でした。川井家の祖先は同業者で座を作り、北野神社を祀ることで、麹の専売権を持ち、税の免除を受けました。川井家は代々北野神社の神官を務めています。電気設備無し。非公開。(参考文献:「京都府の民家」「市民しんぶん京都」)

■なかなか あえない 芸能 シリーズVol.03              助成:大阪府
特別対談 大正時代の社交倶楽部で語る 足利義教の文化的意義 定員100人
2010年9月23日(木/祝)10:30〜14:30 社団法人大阪倶楽部 常食堂
【特別対談】足利義教が高めた芸能のかたちと意味(仮称) 10:30〜12:00
吉川周平(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター前所長) 片山慶次郎(観世流シテ方)
食事と建物見学 12:00〜13:00
【鼎談】建築(ハード)と公演(ソフト)の親密な関係 13:00〜14:30
山崎泰孝(建築家、関西木造劇場研究会主宰)
片山伸吾(観世流シテ方) 善竹忠重(大蔵流狂言方)





お問い合わせ先:「月の舞台」運営実行委員会事務局
Tel 086-222-6367 Fax 086-223-5687
e-mail:tukinobutai@spiralring.jp


●月の舞台●介護付有料老人ホームサンクチュアリーリバー●デイサービス悠くらぶ 〒700-0805 岡山市北区兵団3番32号スパイラル内

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